出土文字資料関係
・劉『郭店楚簡校釈』福建人民出版社、2005年。
凡例によれば、あらたに釈読(簡牘に書かれている字を知られている漢字に比定する)を行ったとある。注釈・意訳も附されている。
・朱紅林『張家山漢簡≪二年律令≫集釈』社会科学文献出版社、2005年。
書名通り、「二年律令」それぞれの簡牘の文について、研究者の見解を集めたもの。古典的に言えば「集解」か。研究蓄積が多くなってきた二年律令についてはこうした本が便利。ただ、やむを得ないとは思うが、日本の研究は、中国語に翻訳されたものしか参照されていない。
序言の「二 多有創見」でひかれている初めの2つの事例は、実は私も5,6年前にある大学で読んだ際に気づいてレジュメ段階ではあったが指摘して同様の結論に達した^^; 同じ結論を出していて納得。
というか、この本、2度買いしてしまいました・・・
・蔡万進『張家山漢簡≪奏讞書≫研究』広西師範大学出版社、2006年。
同じく張家山漢墓から出土した竹簡のうち「奏讞書」についての、こちらは研究書。「第二章 ≪奏讞書≫釈文補正挙隅」は27箇所について釈文を補正、付録のいくつかも有用だ。内容全般は、従来の研究蓄積と比すると若干の物足りなさも感じる。
・中国社会科学院簡帛研究中心『張家山漢簡≪二年律令≫研究文集』広西師範大学出版社、2007年。
二年律令に関する論文集。さまざまな学術誌に掲載されたものを採録したもののようだ。この本の概要や収録論文は、「書虫」さんにあったので、リンクを貼っておきます。ご覧ください。
http://www.frelax.com/scdb/mulu/5/ZJSH223045c1.html
・[英]邁克爾・魯惟一(于振波、車今花:訳)『漢代行政記録』(上・下)広西師範大学出版社、2005年。
Michael Loewe先生の"Records of Han Administration" Vol.1:Historical Assessment,vol.2:Documents. の漢訳本。于振波先生は走馬楼呉簡研究などで有名、車今花さんは、実は于先生の奥さんです。
去年あたりから何となく気づいたのだが、最近は中国人以外の著者による古代中国研究の専門書の翻訳本が相次いで出版されている。
びっくりしたのは、
![]() | 木簡・竹簡の語る中国古代―書記の文化史 冨谷 至 (2003/07) 岩波書店 |
が、今夏に中国の本屋に並んでいたこと。比較的新しい一般向けの本まで訳されていることに驚いた。その名も『木简竹简述说的古代中国』。
スポンサーサイト
テーマ:中国史関連本 - ジャンル:本・雑誌