http://www.asahi.com/obituaries/update/0530/TKY200705300376.html
私は個人的に親しくもなく、学会などでこちらが一方的にお見かけする程度で、面識があるとは言えないのだが、研究を通してさまざまな刺激を受けてきた。
大学時代、特に研究者への道を志そうとしていたわけではなかったけれど、なにげなく図書館の棚にあった、堀先生の『均田制の研究』(岩波書店・1975年)を手に取り、注の数が300だか400(いや、それ以上だったかな)あったことに、
「研究ってすごいなぁ・・・」
と、その道、専門のすごさに(その時はわけもなく)感動したことが、思えば堀先生とのファーストコンタクトだったような気がする。
その後、大学3年生くらいに、法政大学で堀先生の特別講演があるという話を聞いて、講演を聴きに出かけた。違う大学へわざわざ出かけていって、かなりの人数がいたので、一番後ろに座って拝聴した記憶がある。直接姿をお見かけしたのはその時が初めて。
そして、実は大学院受験の際には、堀先生の教えを受けようと明治大学大学院へも出願した。
実のところ、他の大学院にも出願して、先にそちらが受かってしまい、手続きも明大の受験日の前だったので、かなり迷ったのだが、明大は受けずに他の大学の大学院に進学したのでした。
その後は、魏晋南北史朝研究会や唐代史研究会でお見かけするくらいだったが、論文、著書などは読んできた。秦漢~唐代まで比較的長いスパンの様々な分野の歴史的問題についての研究があり、広く深く、実証的で堅実な印象を受けてきた。まぁ、自分ごときが寸評するのはおこがましいというか、紹介しきれないのだが。
みなさんにお薦めなのは以下の本。
戦後の日本における、中国古代史研究の出発点がどこにあり、どのような視点・観点・方法をもって研究され、どのような業績、成果があり、またどのような異論・論争があったか、おおまかに中国古代史の研究史を知るためには、本当にすばらしい本だと思います。
中国史を研究している大学教授、学者ってどんなことを研究していたのだろう、ということを知りたい方にはぜひお薦めです(現在の学界の研究状況より、少し前の状況がよく分かります)。
やや専門的な書籍では類書があるのですが、なにより一般向けに比較的分かりやすく、かつ比較的安価で求められるので。
かく言う自分も、これを読んでだいぶ勉強しました^^
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堀先生、ありがとうございました♪
先月、たまたまお姿をお見かけした時はお元気そうでした。
ご冥福をお祈りいたします。。。
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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術