今年の1月に新刊として出たときに、池袋のジュンク堂で平積みになっているのを少し立ち読みした。
その時は「Ⅳ.漢籍を読むための基本的な参考文献」の内容の乏しさに、買うのをやめた。

岩波全書の『漢文入門』にかなりのページ数をさいているのはよいとしても、虚詞・助字に関する参考書は1冊も挙げられておらず、また辞書なども漢和辞典を3種類のみの書誌情報(『字源』『大漢和辞典』『漢文を読むための漢字典』)を挙げるだけで、他方、日中の現代中国語の辞典を2ページ半にわたって紹介しているのは「漢籍を読むための基本的な参考文献」案内たりえているか、はなはだ疑問なのだったからだ。しかも、この章は池田温先生が書かれているのにもかかわらず。。。
もっとも、全体的にはこれまでこうした類書も出ておらず、漢籍の漢文に見慣れた自分にとって、刺激的な内容も多いので、安ければ買いたいとは思っていた。
先週の土曜日に、早稲田大学のシンポジウムに出た際に、早稲田に行くときはいつも行く古書店、喜楽書房で2200円あったので、購入してきた。まだ読みかけだが、非常に面白く読んでいる。
章立てなどは画像の通り。

<追記 2007.03.27>
![]() | 日本古代史を学ぶための漢文入門 池田 温 (2005/12) 吉川弘文館 |
その後、ほぼすべて読み終えました。
なるほど「日本古代史を学ぶための」という書名が物語るとおり、中国古典を読むための「漢文入門」としては物足りないのだが、日本古代史を勉強する人、学部生などには必携の書であろう。さまざまなタイプの日本古代史の漢文資料の読み方、テキストのあり方を、比較的に具体的に書かれているので、非常に参考になると思う。日本古代の文献を読むことも今後あるかもしれない。そのときは大いに活用したいと思う。
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