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古代中国箚記

古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。

今月の購書(2007/01) 壁画の世界!

今月日本で買ったもの。中国で買ったものは除きます。

1月は中国でそれなりに買ったので、お腹いっぱい。
軍資金もないわけですが、思わず買ってしまうのは世の常か(いや、研究者の宿命か//笑)。でも、1万くらいなのでよく我慢した方かな^^;

東京の中国書を扱っている書店は、12月~1月末日まで、「店頭で中国書を現金で購入」であれば2割引きセールを毎年やってます。2割以上のものもあり、また東京以外でもやっているところが多いです。10年くらい前に、この時期を狙って琳琅閣書店で中華書局の標点本『資治通鑑』を買いました。郵送にするとまた高くつくので、「持って帰ります」と言って梱包して手提げ袋に入れてもらい、自宅まで帰ったのですが、やはりその重さに手提げ袋のヒモが指に食い込み、また翌日は肩やらあちこち筋肉痛になりました。いい思い出です(w

では、今月買った本を以下に紹介。

流動する民族―中国南部の移住とエスニシティ 流動する民族―中国南部の移住とエスニシティ
塚田 誠之、 他 (2001/03)
平凡社

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カラト書房さんより、2割引きセール中で、「古代」ではありませんが以前からほしかったので購入。2007/03/17まで7周年記念ということで2割引きセールをしています。HPをいつみても「本日から」3月17日まで割引きとなっているのは、まぁ、ご愛敬。
カラト書房 → http://www.karatoshobo.com/index.htm


漢籍版本入門 漢籍版本入門
陳 国慶 (1984/01)
研文出版
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中国の「目録学」「書誌学」関係の本も、翻訳物や長澤規矩也先生の本、最近では井上進氏のものが出ている。日本語の本でだいたいのものは収集したいと思っているのだが、いかんせんお金がないのでいろいろあきらめてる。絶版モノも多い。先般、中国へ行った際も1冊、目録学系のビジュアル本を買った。
上記の本は、原書は1957年に出版され、すでに半世紀前のものではあるが、中国の図書館員向けに書かれたものをまとめたものなので、中国古典籍を扱う際の基礎知識(主に線装本などの古典籍の版本の種類と分類方法、各部位の名称や装丁法)などが簡潔平易に解説されており、中国目録学の初心者・入門者には有益な本。書かれた年代と読者対象ゆえに簡単すぎるとは言えるが、自分にとってはレベルがちょうどいい。さらなる内容のものは他書を求めればいい。絶版で入手できないものだと思っていたら、2001年に再版されていた(第一版第四刷)。再版本の257頁に金子修一先生が、原書が3種あることと本訳書の関係について附記されているのも、親切でよい。


中央アジア秘宝発掘記 (1962年) 中央アジア秘宝発掘記 (1962年)
木下 竜也 (1962)
角川書店

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ル・コック(Albert von Le Coq)のAuf Hellas Spuren in Ostturkistan,1926 の翻訳。中央公論新社から新装版が出ているが、安かったので購入(古書店より300円で)。最近、ハードカバーで中央アジア探検のヨーロッパ人による探検記が翻訳されてでているらしい(書店でチラッとみかけた)。


魏晋南北朝壁画墓の世界 魏晋南北朝壁画墓の世界
蘇 哲 (2007/02/01)
白帝社

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「古代中国箚記」というブログをやっている身としては、まっさきにとりあげて詳しく紹介すべきもの(笑)。細かな出典が書かれていないのは一般向け書籍だから当然だが、それでも一定程度の注や図版出典を載せているのは非常にありががたい。食事中や通勤中に少し読んだが、自分が期待していた通りの内容でうれしい。以下、まだ少ししか見ていないが、目をひいた箇所を記しておこう。
「第一章 三国西晋の壁画墓」は僅かに20頁であるが、「壁画のない陳思王墓」と題して2頁ほど「曹植の墓」について書いている。また高句麗古墳安岳3号墓の壁画の車馬出行に関して絵ときをしている。この絵解き、自分もやっていたので、あぁ、先にやられちゃった、という気持ち(笑)。でも、できる人がしてくれればよいので、納得。P.53には「進賢冠の構造図」が出ているなど、壁画に描かれた図柄の説明が楽しいし、個人的にも勉強になる。少し時間ができたら、じっくり読んでおきたい。古代中国を視覚的に知りたい人にはお薦め。
ところで本書中に、「塢壁」を「おへき」、「塢堡」を「うほう」とルビをふってまで読み分けしているが(P.25)、なにか理由があってのことなのだろうか。。。

他にも2冊ほど買ったが、うち1冊は市販されていない本なのでここでは紹介を避けておこう。というか、一番上の本を除いて、全部「No Image」って、、、amazonさん、しっかりしてください♪

さて、原稿ラストスパートです。
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