恥ずかしい話だが、ごく最近、その『新字源』が改訂されていたのを知った(と言っても、改訂されたのは相当前//汗)。
![]() | 角川 新字源 小川 環樹、 他 (1994/11) 角川書店 |
付録の「助字解説」には、「助字解説」があって非常に重宝したし本当によく利用した。漢文を読んで助字が出てくるたびにここの説明を見ていた時期もあった。そういう時期があって、ある程度は助字が頭に入ってくれたから有り難い。
この『新字源』は親字があり、解説があり、熟語がありという普通の漢和辞典だが、『新字源』以前の「字典」で定評のあったものは、
![]() | 支那文を読む為の漢字典 陸 爾奎、方 毅 他 (1999/07) 山本書店出版部研文出版 |
又聞きだが、よく聞く話としては、この字典を持っていない学生は東洋学・中国学のもぐりだ、と言われたほどのよい、持つべき工具書だったようだ。私は、ながらく絶版になっていて古本屋で見ても高かったので買わなかった。また『新字源』でも簡潔な親字の解説はなされていたから、事足ると思っていた。ただ、新版で出たし、飲み会1回分くらいだから買っておいたほうがいいとは思うものの(そういう「買っておいたほうがいい」本は山のようにあるので、きりがないのです・・・)。
この>『支那文を読む為の漢字典』は、中国の学生用の小型字典『学生字典』商務印書館・1915年をほぼ文語調に翻訳したものだという。ところで『新華字典』は現代中国語の「字典」で、ハンディサイズの小型だが、ときどき見てみると、「あ~、この字はそういう意味の字か!」と、なんとなく分かっていたけれどいまひとつのところでモヤモヤしていた言葉の意味が、微妙な意味合いもストンと分かるときがある。『支那文を読む為の漢字典』もそういう感じの字典なのかな、と思ってみたりする。
さて、とりとめもなく話したが、漢和辞(字)典の評価・感想というのは実に難しい。ただひとつだけ言えるのは、実際に使ってみないと良さ悪さは決して分からない、ということ。
それに、例えば評判のよくない辞典でも、自分が辞典に求めているものがなにがしかあってそれが辞典に備わっていれば、その辞典はその人にとってはいい辞典だと思う。完全無欠な辞典、万人にとってよい辞典はないんだとも思う今日この頃。まぁ、当たり前ですよね。。。
で、今日、ようやく古書店より安く上記2冊の辞書を買いました。両方で2000円ほどだったので、1週間前に頼んでおいたものです。パラパラ見たところ、『支那文を読む為の漢字典』は、なるほどいい字典ですね。詳細なレポートは忙しいので後日にしますが、「求めるものが載っている」という意味で、戦中・戦後1970年代まではやはり必須な字典だったのは頷けます。またなぜ「支那文」という名称を冠しているか、不思議に思っていたのですが、序と後ろの文を読んでようやく分かりました。
念のために言うと、「支那文」という語に何か特別な意があるわけではありません。
<追記2011.4.5>
拍手コメントで、「鍵コメお」さんから、>『支那文を読む為の漢字典』がwebで公開されているとお知らせいただきました。下にご紹介しておきます。画像も見られるので、非常にいいですね!!、「鍵コメお」さん、ありがとうございました。
http://www.seiwatei.net/chinakan/chinakan.cgi
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