初めは雲夢秦簡(湖北省から出土した秦代の竹簡)。それから漢碑(主に後漢の石刻資料)を、その後、漢簡(主に前漢~王莽期の木簡)を、さらには敦煌文書(唐代を中心とした紙文書)を。。。最近は、後漢末魏晋期のものを見る機会が多い。
修士課程のころだったろうか。後漢の石刻資料はだいたい隸書で書かれているので、そんなに分からない漢字はないのだが、まったく読めない字が出てきた。それもけっこう頻繁に出てくる。まったく見当がつかなかった。
それは、こんな字↓
誤って画像を他のものに上書きしてしまいました(汗(2009.06.24)
今もよく使われる字ですが、当時はこんな風に書くのが一般的でした。というより、唐代まではこの書体が主流だったようです。
隸書も、分からない字は分からないもんだな、とこの字を見て思いました。さて、この字、みなさんどんな漢字だと思いますか?
実は今日、「微」という字が、これまた漢代ではかなり違う書体で書かれているのに気づきました(『漢隸字源』を見ていたら気付いただけなんですけど)。もうびっくり。

山の下が「耳」みたいになってますよね。
あれこれ字典を見てみると、どうやらこの「耳」の部分を簡略に書いていって「歹」のような形になり、さらに「几」のように簡略化されていったようなのです。唐代の楷書でも、写経などを見ると、まったく読めない字(でも、現在も頻繁に使う)とか出てくるのも頷ける気がします。
<追記 2007.01.21>
ということで、上の漢字ですが、、、
「叔」 です。
「寂」も「督」も、この形を使っています。
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