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古代中国箚記

古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。

われ諸橋『大漢和辞典』電子版を入手す

あまり大きな声では言えないが、諸橋轍次『大漢和辞典』の台湾版(笑)を持っています。いわゆる海賊版というやつです。毛沢東の項目が消されています。修訂版でコンパクトサイズなので、重宝しています。
『漢語大詞典』が出て以降は、まず『漢語大詞典』をひいて、それで納得すればそれで終了で、なお分からない時だけ『大漢和辞典』をひいていますが、それ以前は、漢文を読むと言えば、『大漢和辞典』をひくことを意味していたし、漢文が読めるということは『大漢和辞典』がいかに使えない辞典かを知ることでもあった。

ところで、これもあまり大きな声では言えないが、とある中国大陸のサイトから、『大漢和辞典』の電子版(といっても検索できるわけでなく、画像データ)をダウンロードした。見たこともない緑色の表紙です。実にあやしい。でも中身はちゃんとした『大漢和辞典』。

『大漢和辞典』


今のところ、全13巻中、第1巻・第3巻・第4巻・第5巻・第6巻・第7巻・索引の計7巻だけだが、今後できるだけ集めたい。全巻揃って持っていないと意味がないし^^;

あと、以下の書は非常に使える本だが、これは自分で…するとしよう。そうすれば、『漢語大詞典』はすでにパソコンに搭載ずみなので、画像データではあるが、『大漢和辞典』もパソコンに入れて使うことができるようになる。日中の巨大漢語辞典があやつれる。それに白川静『字通』も持っているので、鬼に金棒である。
あぁ、素晴らしきかな電子化。

大漢和辞典 (語彙索引)東洋学術研究所
『大漢和辞典 語彙索引』
大修館書店、1990年。

『大漢和辞典』は旧かな遣いで熟語を載せているので、いきおい掲載されている熟語が探し出せない(=載っていないと同じ)ことがある。この語彙索引は、『大漢和辞典』に収録されている熟語をすべて現代仮名遣いで五十音順にならべたもの。
ある語が漢語として存在しているかいないかを調べるのにも適している。



一方で、中国大陸において本の著作権なんてないも同然なのだなと日頃から思っている次第。
コピー天国・パクリ天国なわけだが、そうした恩恵(?)にあずかっている一人としてはなかなか複雑な心境。。。

そして、広い意味では(広くない意味でも?)、自分の行為(=ダウンロード)が著作権侵害に抵触しているのではないかと思わずにはいられない。なので、大きな声では言えないのです(と言いつつブログに書いているが…)。

結局一晩かけて、第2巻・第12巻の計2巻欠で、他11冊はデータを入手することができました。そしてさらに1日かけて、全部入手しました。特別なビューワーが必要な巻もあるのですが、見られることにまず感謝です。汎用性も考え、PDFに変換できるものはしてみることにします。
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テーマ:中国史 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント

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  • 2020/04/15(水) 11:00:40 |
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最近は『大漢和辞典』も安いですよ

> 井蛙さま

中国語の電子辞書の件、お役に立てたようでなによりです。中国語学習者には完璧と言えるラインナップを揃えた電子辞書が出ているので、正直自分も驚きました。紙媒体でもなかなかあれ以上は望めません。
『大漢和辞典』ですが、私も海賊版を買うまでは大学の図書館やら地域の図書館でひいていました。ただ最近はヤフオクや古本屋などで2万円程度で売られているのをよく見かけるようになりました。ひと頃より安値が低くなっているようですから、大学に行かれたら、買われるといいです。個人的には、『漢語大詞典』がお薦めですが。

お国柄

> さとうしんさま

ご無沙汰しております。
まさに、さとうしんさまがいう、お国柄ですね。大学の教員自らが高速スキャン機を導入して、とりあえずいろんな本をスキャンしちゃいますよね。人海戦術もすごいですけど、いろんな意味で国が違うことが実感できます。ちなみに入手したデータはすでに電子書籍化(画像化)されていたものなので、それを横流ししている人がいるわけなんです。その辺も、お国柄らしいです。

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  • 2010/09/24(金) 22:04:28 |
  • |
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電子版

ありがとうございます。
早速、リンクをお貼りします!

こちらにコメント致しますのは、
貴ブログでおすすめされていた、
中国語の電子辞書を予約したからなのです。
複数の辞書が収録されているところに、たいへんに心惹かれました。
ご紹介感謝いたします。

大漢和辞典は漢字好きは誰もが憧れるものですよね。
高校に全巻揃っているため、
白川文字学や儒教の思惟に行き詰ったときの癒しとして読んでいます。
いつかは揃えたいです。

本を買ったら取り敢えずスキャニングするというお国柄ですからね。しかし『大漢和』まで電子化されているとは…… あんなのよくスキャニングしようとか思うよなあと感心してしまいます(^^;)

  • 2010/09/24(金) 21:21:01 |
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  • さとうしん #-
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