私は講義の試験でも、事前に試験問題(論述式)を公表し、その答案のもとになるものの持込を可にして試験を実施している。したがって、学生は調べてきたものを試験の時間内に書き写すことになる。
ところで、講義時間で「Wikipediaなどのインターネットを引用・参考資料としないこと」と釘をさしているのだが、それでも堂々とテストの答案用紙(参考文献を必ず書かせている)に「出典:Wikipedia」と書いてくる学生がいて驚く。講義時間、集中して聞いていない学生がいるようだ(でもまぁ、1度しか言わなかったので、仕方のないことかもしれない)。出典を堂々と書いてくる学生はまだいいのかもしれない。ほとんどは出典を明記せずにネットやWikipediaや参考文献を引用するだけで答案を作ってくる者がいる。
今年はそっくりな答案が出てきて、さては・・・と検索してみたら「Wikipedia」だったり、その度合いが昨年よりひどいように感じた。
非常勤仲間や大学の専任教員の話でも同様の話題が出てくるときがある。自分の場合は、手書きの資料のみ持ち込み可としているのだが、それでも一定数はネット情報のコピペですませている学生がいるのだから、他は推して知るべしである。
もっとも、試験問題は論述式で、そう簡単にネットに転がっていない回答を求めているので、だいたいどこかから引用してきたな、という部分と自分が考えた文章はけっこうはっきり分かるものである。学生には参考文献を引き写すだけでなく、自分の言葉で論述するということを学んでほしいと思う。
さて、成績も出したところで、あとは自分の仕事(翻訳と論文執筆)をやらないといけない。
人間というものは、人のことはよく見えるものだから、自分自身、悪文を書かないように、気をつけていきたい。
テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術