![]() | 牛島 徳次 『漢語文法論〈古代編〉』 大修館、1967年。 |
![]() | 牛島 徳次 『漢語文法論〈中古編〉』 大修館、1971年。 |
があるのだが、いかんせん、古書店の値段ではずば抜けて高い!!
両方とも「7万円台」というのは一体どうなっているのだと言いたくなる。それぞれ、品詞ごとに文の構造ごとに例文でもって解説がされているので、古典漢語を勉強する際には非常に役に立つものなのだが、一般に流布していないせいか、「漢文のよい参考書がない」という結果になってしまっている。
個人的には、以下の書を一番に推しているのだが、
![]() | 西田 太一郎 『漢文の語法』 角川書店、1980年。 |
これまた古本屋で見つからない本。
これは漢文法を正面にとらえて論じているので、他に類書がない。
他の「漢文法概説」みたいなものは語法や句法の解説に詳しいだけで、文法を論じていないのである。
廉価版でも出ればいいのだが、今の出版事情では厳しいだろう。
また、番外編で、
![]() | 二畳庵 主人 『漢文法基礎』 増進会出版社、1998年。 |
を推す人もいるが、これは以前私が読んだ限りにおいては、古典漢語を一通り勉強した人が「読み物」として副読本的に読むには適しているが、これまた漢文法を論じてはいるものの、その部分は僅かで、ほとんどがエッセイ風なので、文法を理解するにはあまりに漠然としている。従って『漢文法基礎』という書名も、内容を忠実に反映していないのである。これは通読したので、よく分かる。漢文の文法を理解するのであったら、西田太一郎の『漢文の語法』のほうが遙かによい。
そんなわけで、購入しようと思う人はあまりの高値に手が出ないか、そもそも在庫がないので購入できないということに。地域図書館で借りましょう。『漢文の語法』は角川小辞典のうちのひとつなので、置いてある地域図書館も多いのではと思う。牛島書は専門的で、二畳庵主人のものは受験用なので、一般には流布していないのです。
ちなみに牛島著書は両書ともにいま、我が手にあり(買ったものではなく借りたもの)、数年来借りているので、近々返す予定です。すいません、何年も借りっぱなしにしてしまって…(某大中文の方本当にすみません)。
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