古代中国箚記

古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。

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『中国人の死体観察学「洗冤集録の世界」』を読む

講義で宋代のことを講義するので、準備のためにいろいろと宋代の画像資料をあさっていた。できるだけ視覚的に訴えて、歴史学の面白さと分かってほしいと思うからだ。

そんな中、
図説 中国文明史〈7〉宋―成熟する文明杭 侃(著)、稲畑 耕一郎(編訳)
『図説 中国文明史〈7〉宋―成熟する文明』
創元社、2006年。




の、元本である、『中華文明伝真(7両宋)』上海辞書出版社・商務印書館(香港)、2001年、のP85に面白い図を見つけた。『洗冤集録』に見える解剖検屍図だという。それが以下のもの。

『中華文明伝真』(7)p85

なかなか面白い。頭部はまるで仮面ライダーみたいだ(笑)。

講義で使うことはないなぁと思いながら、思わず見入ってしまった。

そういえば、『洗冤集録』は翻訳本があったなぁ、と思いだし、早速注文して読んでみました。

宋慈(著)、西丸與一(監修)、徳田隆(訳)
『中国人の死体観察学―「洗冤集録」の世界』雄山閣出版、1999年。
中国人の死体観察学―「洗冤集録」の世界




本をパラパラして気付いたのは、図版があるものの、それは他の本(たとえば『金瓶梅』とか『水滸伝』)の挿図だったりして、『洗冤集録』自体の挿図がなかったこと。従って、上に紹介した図も当然ない。

あれれ?と思ったが読んでみました。内容は、検屍マニュアルといったところで、死体をどういう風に検屍するか、死体の扱い方(酢につけるとか火で暖めるとかすると、傷跡、アザが出てくるとか)そういう類のことが書いてある。これだけだとちょっと無味乾燥な印象を受けた。
ただし、この書は、その後の中国・日本でそれこそ検屍のマニュアルになっていた歴史があり、江戸時代なども利用されていたとのこと。「解剖する」という発想を持たなかった東アジア世界には多大な影響を与えたようだ。
清代に、いろいろな事件を附されたバージョンも発行されたのも肯ける。本書はその清代に増補された個々の事件についても、いくつか紹介されてあって、それの方が具体性に富んでいて面白く感じた

ところで、あの図はどこからひいてきたものなんだろう。
もとの『洗冤集録』をあたらないといけない。
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テーマ:中国史 - ジャンル:学問・文化・芸術

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