学生の頃は「もろはし」とか「だいかんわ」などと呼んでいた。『日本古代史を学ぶための漢文入門』によれば、海外でも「Morohashi」と言われ、主要な大学図書館や中国学の研究所には所蔵され、重宝がられていたという。
諸橋『大漢和辞典』は、昭和十八年に第一巻を発行したが、昭和二十年の空爆により出版予定であった元版を焼失してしまう。しかし、残っていた校正刷りをもとに、昭和三十年に第一巻を刊行し昭和三十五年に全十三巻(含:索引一巻)を刊行しおわった。
詳しい『大漢和辞典』の歴史は大修館のHPを参照のこと。→『大漢和辞典』編纂・刊行小史
いわずとしれた、日本最大の漢和辞典である。
さて、その諸橋『大漢和辞典』に先行する『大漢和辞典』をたまたま今日、古本屋で手に入れたので紹介しよう。
服部宇之吉編纂『大漢和辭典』春秋書院、1925年(全1940頁)
である。もちろん一冊本(w
カバーがついていて、赤色。

総画索引の最終頁↓ これを見ると、最大の画数の字は三十二画の「籲」となっている。

最初の頁は以下の通り。今の中型の漢和辞典と項目にたっている熟語が意外に異なっているのが分かる。また熟語の並びは二字目の
また、上の段は「音訓索引」になっていて、これが全ページにわたる。今日の漢和辞典の音訓索引は、ページをまとめて一箇所に載せているが、これは全ページの上段に載せている。「アーチ」「アーケード」も採録されているので、日本語辞典としての意味合いも強い。
もっとも、これは序言においてその旨記してあり、いわゆる漢文を読むための辞典としての漢和辞典は、服部宇之吉・小柳司気太『詳解漢和大字典』冨山房、に譲りたいという趣旨の言葉が見える。実はこちらも今日買い求めることができた。この店の存在を教えてくれたえちぜんさん(えちぜん書房店主)に感謝♪
『大漢和辞典』以前の漢和辞典には、今の中型漢和辞典と項目立てされた熟語に違いがちらほらあって非常に興味深い。

どちらも200円で買い求められた。古い本で用途がないと言えばそれまでだが、これはこれで、漢和辞典の仕事にかかわることもある身としては貴重な資料。ありがたい。本当は日本の古辞書も小学館の『日本国語大辞典』も欲しい(笑)。でも、やはり専門外ということもあり、また値段も高いので、なかなか揃えられないのが残念だ。
あ、画像が見にくくてすみません。どうもうまくUPする方法が分かりません。
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