前回の三井文庫所蔵の敦煌写経を見たときは、唐代人が実際に筆をとって書いた文字、一文字一文字をじかに見ることができ、本当に時を忘れて、至福な時を過ごした。実に心が洗われるというか、リラックスして、満足できた記憶がある。その際は、偽経(敦煌文書のニセモノ)も参考展示されていて、図録にその点が詳しく載っていたので、学問的にも貴重であった。下の宣伝文にある「近年学術的な検討を加えて厳選した」とあるのはこのことを言っているので、今回は偽経は展示されていないかと思う。これまた前回の図録を持って見に行って確認したいと思う。
今回の「敦煌経と中国仏教美術」展は、場所を「三井記念美術館」にうつし、金銅仏などの仏像も展示するようだ。
特別展 今輝く、中国古典美術の遺宝「敦煌経と中国仏教美術」
開催期間:2006年11月18日(土)~ 12月17日(日)、月曜休館
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
展示会場:三井記念美術館
入館料金:一般1000円
大学・高校生500円
小・中学生無料
連絡先:03-5777-8600
詳しいアクセスや展示品(画像あり)などは下記URLを参照。
三井記念美術館 特別展
さて、HPの中には、
この展覧会は、当館が所蔵する敦煌出土写経30数点と、東京国立博物館ほか日本の美術館・博物館が所蔵する中国の金銅仏・仏画・密教法具の名品を展示いたします。今回展示の敦煌経は、近年学術的な検討を加えて厳選したもので、敦煌写経の基準作ともいえる優品がごらんになれます。また、館蔵の中国刺繍十六羅漢図もあわせて展示いたします。
と言っている。心強い。
ところで、日本に伝わる敦煌文書のほとんどがニセモノであると主張したのは、かの藤枝晃先生であったが、池田温先生はその真偽の判定は慎重であるべきだと説く。藤枝氏はニセモノである理由を言うと混乱をきたすから言わなかったように思えるが、やはり研究者である以上は理由や説明なしに、そうしたことを言うのは避けるべきかと思う。第一人者ゆえに、である。無論、私自身は藤枝晃先生の著書から、中国の文書学・書誌学についていろいろと勉強させて頂いた。
<追記 2006/12/20>
2006年12月14日に、三井記念美術館の展覧会に行って来ました。数点確認したいことがあるので、最終の日曜日にでももう一度行きたいのですが、(確認に必要な資料の)準備とスケジュールがちょっと厳しいので、行けないかもしれません。。。(→で、結局行けませんでした)
写経はいろいろ見事でした。解説も非常によかったと思いました。
気になったのは、とある仏像2点。時代の判定がどうだろうと、これまた素人目に疑わしきものがあった(それが確認したいことなのだが)。
なんと図録は、「2日前に売り切れ」。。。
ただ、その図録は、出展されている敦煌経についてのもので、一部が実物大画像入りという、厚さや装丁からするとリーフレット的なものでした。なので、展示場にあった仏像などに関する解説・図版は掲載していないものでした(会場内の「見本」で確認)。ものすごい欲しいのですが。。。残念。
そのかわり、これ知らなかったのですが、1998年にやった展覧会の図録を買ってきました。書道のお手本などとして伝来・珍重されてきた拓本、法帖53点を展覧したときの図録です。
『三井記念美術館蔵品図録 聴氷閣旧蔵碑拓名帖撰-新町三井家-』1998年

いろいろ持ってますねぇ。。。唐拓本など貴重なものも。
たとえば褚遂良「孟法師碑」の唐拓本など(図録に貴重だと書いてあったからなのですが//笑)。

ま、こちらを3500円でゲットして、肝心の今回の図録が入手できない慰めにしました(笑)
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