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目次;
序章 遺産のゆくえ―女性財産権問題から
1章 婦(つま)は強く―唐宋時代の婚姻と家族
2章 嫉妬する妻たち―夫婦関係の変容
3章 「五口の家」とその変容―家族規模と構成の変化
4章 衰退する家族―『名公書判清明集』の場合
終章 むち打つ者と打たれる者―家族から世帯へ
意外と、と言っては著者の大澤先生に失礼だが、面白く読んだ。女子大で古代中国の婚姻の話をしているので、この本はもっと早く読むべきだった。反省。
唐代の女性というと次の翻訳本が知られている。こちらも唐代のさまざまな女性像が描かれていて、それはそれで楽しく知識となるのだが、やはり歴史的な観点からみると、大澤先生の本の方が洞察的で示唆に富む。両方手に入れておきたい書だ。
![]() | 高 世瑜 『大唐帝国の女性たち』 岩波書店、1999年。 宮中の女官、道教・仏教の出家者、娼妓、女流詩人、商業を営む女、農婦、奴隷−あらゆる階層・身分の女性の実態を史料を博捜して描き出す。 現代中国における社会史隆盛の先駆けをなした、気鋭の女性史家による唐代女性史。 |
あとは次の柳田先生の本がある。
![]() | 柳田節子 『宋代庶民の女たち』 汲古書院、2003年。 節烈や隷従といった固定観念から離れて、庶民の女たちの在り様に近づき、女たちと宋朝専制支配との接点を探る。彼女たちが生きた場−郷村社会に対し宋朝専制権力がどのように向き合っていたか、人民支配のあり方について考察。 |
この3冊があれば、唐宋代の女性に関することはほとんど分かるのではないだろうか。
一般書にしてレベルの高い本というのは非常にありがたい。
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テーマ:中国史 - ジャンル:学問・文化・芸術