研究入門的な内容を期待して購入したが、内容は「中国文学概説」と言ったところか。でも、私自身、大学時代にそうした講義を受講しなかったので、勉強になる本。
・堀敏一 『東アジア世界の歴史』 講談社(講談社学術文庫 1890)、2008年。
堀先生の遺作となったのが本書。平易な語り口で東アジア文明の発生から明代までの「東アジア世界」の歴史を説く。巻末の参考文献は和書がほとんどで一般読者には有用。重近啓樹先生の解説も簡潔にして本書の内容・性格の理解を助けるものとなっている。
・谷川道雄 『隋唐世界帝国の形成』 講談社(講談社学術文庫 1894)、2008年。
一見して薄いなぁという印象を抱いたが、中身を見てびっくり。。。
「本書は、一九七七年、講談社現代新書『新書東洋史』の第二巻として刊行された『世界帝国の形成 後漢-隋・唐』の改版本である。(中略)内容においても、一部の字句を訂正ないし削除を行ったところがあるが、全体としては、前書のままである」と後書きにある。新書東洋史シリーズはすべて揃えてある・・・。
・大日方克己 『古代国家と年中行事』 講談社(講談社学術文庫 1859)、2008年。
この本は、谷川本と比較すれば得をした。本書は吉川弘文館から1993年に出た研究書。「学術文庫版あとがき-儀式・年中行事研究の現在と展望」はその副題の通りの内容になっており、この数ページを読んだだけでも近年の研究動向が分かる。門外漢の私にとっては特に有益。
・永田英正・責任編集 『アジアの歴史と文化 1 中国史-古代』 同朋舎出版、1994年。
・藤善眞澄・責任編集 『アジアの歴史と文化 2 中国史-中世』 同朋舎出版、1995年。
・竺沙雅章・責任編集 『アジアの歴史と文化 3 中国史-近世Ⅰ』 同朋舎出版、1994年。
・谷口規矩雄・責任編集 『アジアの歴史と文化 4 中国史-近世Ⅱ』 同朋舎出版、1994年。
竺沙雅章氏監修のシリーズ。地域図書館で1と2を熟読した。非常に簡潔でありながら内容も濃く、文化にも紙幅を割いて説明している非常にいい概説書。しかしながら、出版量があまりにも少なかったのか、見かけることがほとんどない。大学で中国史を勉強する学生にまず薦めたいのが本シリーズだ。山川の世界歴史大系を超コンパクトにした感じと言ったら分かる人もいるかもしれない。
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テーマ:中国語 - ジャンル:学問・文化・芸術