古代中国箚記

古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。

『三国志研究入門』と『三国志研究要覧』

誠に遅ればせながら、以下の書を購入。


三国志研究入門 (日外選書Fontana)渡邉義浩・著、三国志学会・監修
『三国志研究入門』 日外アソシエーツ、2007年7月。

第一部 研究入門篇
Ⅰ.三国志をより深く知るには
Ⅱ.論文を書いてみよう
Ⅲ.三国志の基本知識

第二部 研究動向篇
Ⅰ.歴史 Ⅱ.思想・宗教 Ⅲ.文学
第三部 文献目録篇





第一部「研究入門篇」は卒論を書こうという学生にむけたガイダンスのような内容で、論文の書き方のいろはから丁寧に解説している。中国古代史で卒論を書く人であれば、参考になる部分。

「三国志の基本知識」は、本当に「基本知識」的なことが書かれていて、ゲームや漫画などで三国志を知っているけれど、歴史学的にはまったく知らない人を対象に書かれたような部分のように見受けられた。

第二部「研究動向篇」は、中林史朗・渡邉義浩『三国志研究要覧』新人物往来社。1996年、ほどの詳しさはないものの、最新の三国志研究の動向を踏まえたもので、簡潔にまとめられていて参考になる。

個人的には、「Ⅰ.歴史」はさることながら、「Ⅱ.思想・宗教」「Ⅲ.文学」の記述が特に参考になった。

三国時代の研究でどのようなことが論点となっているか、どのような研究史があり、研究が蓄積されているかが一読すればよく分かるようになっている。

全体的な印象として、一般・大学学部生向けの良書で、三国志を詳しく研究しようとする人の道しるべになってくれるだろう。もう少し詳しく研究したい人は、この書の第三部「文献目録篇」に引用されている具体的に論文や著書をあたっていくべきであろうし、おそらく『三国志研究要覧』が必要になってくると思う。

この『三国志研究要覧』、私は発売当初買いそびれてしまい、発行部数が少なかったようでそれ以来数年間入手することができなかった。

幸い、古本屋で3000円ほどで購入したが、いまも稀少本。二冊目は関西大学の近くの法律書専門古書店で入手したが、これは京都の友人にあげてしまった。それ以来、三冊目にはとんとお目にかからない。『三国志研究入門』が出た今、その次に参照すべき本として、ぜひとも復刊して欲しい一書である。
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