古代中国箚記

古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。

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講書記録

amazonで下記の書籍を注文。

古本屋で安く出ているものもあるのだけど、1500円以上で送料無料となると、最近は文庫本2冊で送料無料となって、古本屋に行って探す(or検索して別途送料かかる)のと比べると、ネットで済ませてしまえるのは何かと便利。

中国史のなかの家族 (世界史リブレット 87)飯尾秀幸『中国史のなかの家族』(山川出版社、2008年。)
(世界史リブレット)


これはまだ未読であったので、『中国史のなかの諸民族』とともに買って、めでたく1500円越え(笑)。
飯尾先生の秦漢の家族に関する論文は、数編読んだことがあり、勉強になった。あらためて再度ブックレットという形で、おそらく通史的に「家族」を見られるのではないかと思い、購入。

中国史のなかの諸民族 (世界史リブレット)川本芳昭『中国史のなかの諸民族』(山川出版社、2004年)。(世界史リブレット)


書店でかなり立ち読みはした。
概説書的だったのでその時は購入に至らず。今回あらためて勉強し直そうと購入して読むことにした。山川の世界史リブレットは、研究者として見ると概説的にすぎる部分があるが、一般読者や他分野の研究者にとっては非常によく分かる入門書的な役割を果たしているように思う。いいシリーズ。

ついでに下の山川・世界史リブレットも買ってしまった。

東アジア文化圏の形成 (世界史リブレット)李成市『東アジア文化圏の形成』(山川出版社、2000年)。


朝鮮古代史を専攻する李先生の本。
2000年以降の研究はおりに触れて題目などは見ていたのだが、リブレットを書かれていたとは知らなかった。朝鮮古代史という立場は、こと文化という面では中国・日本にも精通していないとならないのだろう。その辺も勉強したいと思い、購入。

あと、張競先生の本を2冊。

中華料理の文化史 (ちくま新書)張競『中華料理の文化史』(筑摩書房、1997年)。
(ちくま新書)


以前、中国史関係の展覧会の仕事を手伝った時に、壁画の衣装や風俗について勉強していた。なにかでこの本を読み、「宋~元時期に箸が横置き(現在のわれわれ日本での習慣と同じ)から、縦置き(現在の中国文化圏のもの)に変化した」ことを知ったときはハッとさせられた。

だから、唐代の壁画や北宋の絵画で描かれていた食事風景では箸はわれわれと同じだったのか、そして現在の中国で必ず箸を縦に置くのは元以降の伝統だったのかと、思い知らされた感じがした。おそらく、中国を旅行などで行った時の体験から、中国=箸は縦置き、日本=箸は横置き、という区分でしかとらえていなくて、その構図をうち砕いてくれたからなのだろうそういう新鮮な驚きがあった。

また、以前、友人から「餃子はいつから食べられているの?」という疑問を投げかけられ、かなり調べたことがあった。
その時の僕の調査の結果は、

「"餃子"ないしその直接の祖先にあたる食物は清代になってからだが、小麦粉製品に何かの具を包んで蒸したりスープにする(今日の水餃子に似た)雲呑(ワンタン)などは後漢末~三国時代に事例が見られる」


というものだった。
たしか雲呑の起源は晋代にあったと記憶している。惜しむらくはその時の調査メモが出てこないことである。

本書は、『四民月令』の「煮餅」、『問礼俗』の「湯餅」をともに「ラーメン」と解釈しているが(新書版P.65、P.88)、僕はこれは「雲呑」ないし「水餃子」の類だと思う。

漢代においては(中略)小麦粉で作った食物をすべて「餅」と言う。だから、ナンのようなパン類ではなく、うどんやすいとんのようなものも「餅」ということばで表現されている。(p.60)



とあるのを当てはめて考えるのが自然だろう。
「ラーメン」というと、私はどうしても「うどん」より細く手のこんだ麺を想像してしまう。実際そういったものがあらわれるのはもう少し後だと思う。

いずれにせよ、張競氏が言うように、後漢末から三国時代にかけて、麦は粒食から粉食へと重点を移していったことは確実であろう。
かつて、西嶋定生氏は、唐代における石臼の流行から、小麦粉の粉食を唐代に求めたことがある。おそらく三国時代以来からある一定の人々の食べ方だった粉食が、唐代で庶民に至るまで普及したのではないかと思っている。

歴史学からすれば、なぜその時代に粉食が始まったか、がより重要なのであるが、これは自分の中に秘めた答えがあるので、ここでは言わない。論文1本書けるネタなので^^;

これ以外にも、「孔子の時代の食べ物」などについて書かれていて、非常に面白い。お薦めの本なのである。

恋の中国文明史張競『恋の中国文明史』(筑摩書房、1997年)。


最後の『恋の中国文明史』は、【読売文学賞】を受賞したものだが、画像がない・・・orz

これまたお薦めであります。時代時代における恋愛の形を描写しているのが面白い。張競氏の研究は、俗っぽいところや歴史屋から見ると不十分な点がないわけではないが、なによりその着眼点と通史的に文化を追求しているところが、個人的におおいに共感します。

なにしろ、なんの検索ツールもなかった時に、『佩文韻府』とかいろいろな辞典を手がかりにして、『全上古三代秦漢三国六朝文』を引き倒してワンタンの由来なんぞを探し続けていた自分なので(笑)。


ま、そんなことしていたら、論文なんぞ書けませんよね・・・。

いっそのこと、ワンタン論文書けばよかった(と冗談を言ってみる)。
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テーマ:中国史 - ジャンル:学問・文化・芸術

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