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古代中国箚記

古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。

台湾・書店

中国の本を買うのに一番安いのは、やはり現地調達に限る。

大陸の本にしても台湾の本にしても、欧米の本にしても、この原則は間違いないだろう。

さて、この度台北に行ってみていくつか本屋をまわることができた。というか、研究活動以外は本屋と故宮博物院、国立歴史博物館くらいにしか行ってない(w

本屋めぐりで大変参考になったのが、
・陸研君『台湾書店地図』辰星出版、2004年だ。

台北を中心に新刊書・古本の書店が紹介されている。2年前の香港・台湾巡りの際に購入した物。

ただ、ここで紹介されていないところのほうが、自分としてはいい本があったように思える。特に重慶南路に二度繰り出せたのは収穫だった。

自分が行った書店の中では、新刊書では、
・楽学書局
が、やはりいい。
ただ、きちんとジャンル分けというか見やすく棚を作っているわけではないので、虱潰し的に棚を見ていかないといけない。2年前に行った時は一番奥の部屋はただの応接間だったが、今回その部屋も本置き場と化していた。我が部屋と同じで本は拡張するもののようだ(笑
店主が言うには「日本の台湾書はすべてうちが卸している」とのこと。店売りでも8がけで売っているのは、もっぱら堅い本でやや高い本を買う身としてはありがたい。
今回も数冊買った。店員がここで買ったことがあるなら記録が残っているはず、とパソコンのデータを見せてもらった。数人知り合いの名前のファイルもあったりして笑えた。2年前に自分が買ったときのものもデータが残っていた。

その他、
・三民書店(重慶南路や復興北路)
http://www.sanmin.com.tw/
の品揃えも非常にいい。
・学生書局
こじんまりとしているが、非常に見やすい棚だった。位置的に楽学書局とセットでまわるといい。

・世界書局
http://www.worldbook.com.tw/
で、世界書局発行のあの本を間近で見ることができて軽く感動。いいテキストがない古籍なんかは海風書店に行って、世界書局版を買っていたので懐かしかった。

今回の台湾行では、ずっと探していて入手できていない、文海出版社の宋代地理書四種シリーズ『太平寰宇記』を探していたのだが、残念ながらこの手の本を置いている古本屋はなかった(あるいは、探し出せなかった)。
そういう意味では日本の古本屋というのはすごいなぁと思う。中国の研究者を連れて神田神保町を案内したりしたことが幾度かあるが、なるほど来る価値はあるとあらためて思った。

古本屋で唯一本を買ったのは、
・旧香居書店

『正字通』(明・張自烈、清・廖文英、中国工人出版社、1996年、198元)を800台湾ドルで買いました。もしかしたら台湾で一番満足できた買い物かもしれません。店構えや調度品がおしゃれで、店内には于右任の書や棟方志功の版画が飾られていました。お店のロゴ入りの「帯子」(袋)もおしゃれです。

村田雄二郎先生のブログで、ここの店主のことを知ったのですが、まさか店主と思いませんでした(w

店主のブログ
http://tw.myblog.yahoo.com/camillewu-minievil/

そう、この人から買ったのです。

ちなみに台湾と大陸とではいろいろな語彙が違っていたりします。blogは大陸では「博客」、台湾では「部落格」ですね。

なお、台湾の書店事情・情報に関しては、東大の村田先生のブログにある小野寺史郎氏の案内が非常にいいので、2年前のものですが参考までにあげておきます。

村田雄二郎研究室 (2005/8/31のブログ)
台北書肆事情(その一)http://jdzg.exblog.jp/2602232/
台北書肆事情(その二)http://jdzg.exblog.jp/2602305/
台北書肆事情(その三)http://jdzg.exblog.jp/2602317/
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テーマ:中国語 - ジャンル:学問・文化・芸術

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