古代中国箚記

古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。

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著者校正>漢数字表記の基準について

こんにちは。少しばかり涼しくなってきましたね。

さて、立場上というか職業上というか、適切な言葉が見あたらないけれど、自分の原稿を「校正」することもあり、他人の原稿を依頼されて「校正」することや、他人の校正に従って、赤字をゲラに反映させることも仕事にしていたりと、印刷物の編集やとくに「校正」には多少かかわりがあるので、「校正」をする機会は意外に多い。

以前は、出版社に泊まりがけで校正に行ったこともある(出張校正と言うらしい)。
その時の記事はブログにも書きました(ほとんど内容はなく予告篇みたいなものですが)。
明日、明後日と漢和辞典の出張校正バイト(2006/11/08)
http://ancientchina.blog74.fc2.com/blog-entry-4.html


昨日、自分が書いたある原稿の著者校正ゲラが届いた。締め切りは10月4日。自分の書いた文章には、まだ自信がなくて、読み返すとつくづく悪文だと思う箇所が目についてイヤだけれども、少しでも読みやすく若干の手を入れたいと思っている。

返送するまで、1週間日程度ある、良心的な締め切りだ(w


その昔、ある原稿の著者校正では「初稿ゲラを2日間で、2稿ゲラを1日で見てください」というのがあった。そうなると、普段の仕事どころではなくなるが、かといって普段の仕事に穴を開けるわけにもいかず、徹夜してやることになる(w

また、暴露話になってしまうが、先輩にあたるある研究者は「原稿を送ったら、いきなり雑誌が届いて驚いた。著者校正なかったんだね~」と言っていたことがあって、そういうことさえあるようだ(著者校正のないなんて信じられないのだが)。


また、漢和辞典の校正の手伝いや他の人の原稿の校正で必ずといっていいほど、見つかるのが「表記の不統一」だ。内容に誤りがなくても、ひとつの本・書籍として見た場合、不統一は極力避けるべきだろう。

論文程度の分量なら、頑張れば不統一は直せるのが、書籍やまして漢和辞典となると、締め切りとの戦いで、不統一が見つかったとしても、すぐに訂正を入れることができなかったりする。

なかでも個人的に気になるのは「数字表記の不統一」

中国史、とりわけ古代を扱うと、縦書きのものが多い。そして漢字使用の度合いも高い。

位取りの漢数字(万千百十など)を入れるか入れないか、入れるとしたらどう入れるか、が問題になる(実際のところ、あまりにも些細なことなので、気にかけていない執筆者もいるやもしれない)


たとえば「2007年9月26日」は、横書きアラビア数字表記であれば、左のようにしか書きようがない。せいぜい「09月」という表記がありうるが、実際こうした表記で書いてくる人はいない(欧文の場合はある)。なので、不統一は生じない。

ところが縦書き漢数字で表記すると、

二千七年九月二十六日(位漢数字あり)
二〇〇七年九月二六日(  同  なし)



の二種の表記が可能で、折衷型(?)の

二〇〇七年九月二十六日



もよく見かける。この場合、「十」の位までは位取りの表記に従い、それ以上は位取り数字なしにする、という統一がとれるだろう。

しかし、

「二百五十と二百五の意味と記述の歴史」『~史研究』250,2007年

という論文があったとして、どう漢字表記するか、なかなか悩ましい。
論文名は固有名詞として、上記のままがよいと思うが、

『~史研究』250,2007年 は、

1.『~史研究』二百五十、二千七年
2.『~史研究』二百五〇、二千七年
3.『~史研究』二五〇、二〇〇七年

の表記方法がありえる。

そして、数字表記の不統一は、だいたい「十」をとるかとらないかの違いが多いように思う。分かりやすく言うと「二〇〇七年九月二十六日」「『~書』巻二十八」と書いた論文の中で3.の表記をするなど。だいたい「位取りの漢数字を用いない」で統一をとっていることが多いらしく、現在のほとんどの出版物は「縦組み漢数字でも固有名詞以外は位取り漢数字を用いない」に落ち着いている感じがする。

私自身の考え方は、日時に関して言えば、見た目や社会通念上、すでに普及していると思うので、位漢数字は使わないでいいと考えている(縦書きについては。横書きは漢数字を使わないのがいいと思う)。統一がとりやすい、という意味合いも強いかな。

一方、古典籍の巻数や地の文では、縦書きであればできるだけ位漢数字を使用したいと思う。


ついでに言うと、年号と西暦の表記で、

「平成一九年(二〇〇七)」

と表記する人がかなり多い。


この表記は間違いではないと思う、個人的に、この表記はどうも違和感を感じてしまい、好きになれない。「平成19年と西暦2007年が同じ年」という意味だということは明々白々なのだが。。。

「二〇〇七」はあくまで「2007」であって、「2007」ではないから、というのがその理由(w

なので、自分で書く場合に限っては、縦書きの場合、

「平成一九(二〇〇七)年」

と「元号+年数+(西暦年数)+年」という表記方法で書いてます。これなら平成19年であり、かつそれが西暦2007年である、と正確に表記していると思うからだ。
われながら、ものすごい小さいところだなぁとは思いつつ・・・(笑)。ただの勘違いかもしれないけど。

ついでに言うと、年賀状の宛先の住所も、縦書きで出す場合は「十」を入れて書きます
(「101号室」だったら「一〇一号室」にしてるけど//汗 ま、十の位まで位漢数字入りということで)



みなさんはどう思いますか?
漢数字表記、日本語表記などについての意見、感想をコメントに残していただければうれしいです♪


こうした細々した表記のどれがいったい正しいか、あるいは望ましいか、については下にあげている
共同通信社『記者ハンドブック 新聞用字用語集』(第10版)、共同通信社、2005年。
がいい。10版もされていることからも新しい状況に対応しているし、またスタンダードとして高く評価されている本。文章を書く人、校正などをする人には必携の本だと思いますので、「古代中国」とはちょっと関係ないけど、激しく推薦します!

いくつか類書も出ているので、比較的評価のあると思う朝日新聞社のものと講談社のものをあげておきました。実際手にして読んだことがありますが、それぞれいい本だと思います。みなさんも書店や図書館で手にとって、比較して気に入ったものを買われるといいでしょう。

たしか「漢数字の年号表記」については、共同通信社『記者ハンドブック』だけしか触れていなかったと記憶しています。なので、自分はこれを買いました。またとりあえずは、最新版を買っておくのが無難です。

記者ハンドブック -新聞用字用語集 第10版- 記者ハンドブック -新聞用字用語集 第10版-
共同通信社 (2005/03/10)
共同通信社

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こうしたハンドブックには、「送りがなの問題」(たとえば「おこなう」は「行う」「行なう」「おこなう」のどれが適切か)とか「常用漢字の問題」「読み仮名」(輿論→世論、よろんが正しいとか、「證」「証」の問題とか)など、基本的には新聞・報道の現場で、国などの施策・方針を具体的に対応してみるとこうなる、いくつか候補が考えられればその候補を列挙したり(漢字の数字表記もそうでした)、あるいは一番適切と思われる場合をあげたり、いろいろためになります。

漢字表記、文章表記についてのハンドブック。
講談社校閲局によるもの。

日本語の正しい表記と用語の辞典 日本語の正しい表記と用語の辞典
講談社校閲局 (1992/12)
講談社

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漢字表記、文章表記についてのハンドブック。
朝日新聞社によるもの。
’05-’06年版 朝日新聞の用語の手引 ’05-’06年版 朝日新聞の用語の手引
朝日新聞社 (2005/05/12)
朝日新聞社

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校正記号については、下にあげた本が使い勝手もよく内容もかなりカバーしているので、この1冊があればまず事が足ると思います。

非常に薄い本ですが、この内容を覚えてしまえば相当なものでしょう。自分も時々見ては確認しています。ただレベルの高い編集・印刷の場で使うのであれば、もう一ランク上のものが必要。しかし、一般的にはこれがあれば間違いないです。
校正記号の使い方―タテ組・ヨコ組・欧文組 校正記号の使い方―タテ組・ヨコ組・欧文組
日本エディタースクール (1999/08)
日本エディタースクール出版部

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校正記号の使い方―タテ組・ヨコ組・欧文組

校正記号の使い方―タテ組・ヨコ組・欧文組

  • 2009/05/07(木) 22:55:25 |
  • しゃばなしゅば書房1号

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