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古代中国箚記

古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。

森本淳『三国軍制と長沙呉簡』

以前、拙ブログでも、予告をしていたのですが、論文集として公刊されることになりました。

若手中国史研究者による論文集、というのはいくらでも出ているのでしょうけれど、万感の思いをこめて本書をあげておきます。



三国軍制と長沙呉簡
森本 淳『三国軍制と長沙呉簡』汲古書院、2013年。

目次を以下に紹介。

第一部 曹魏軍制論
 第一章 曹魏軍制前史――曹操軍団拡大過程からみた一考察――
 第二章 曹魏における刺史と将軍
 第三章 曹氏政権の崩壊過程に関する一試論――軍事権との関係を中心に――
 第四章 魏晋無血革命論――都督の人選を中心として――
 第五章 曹魏・西晋期における中級指揮官について――都督の支配構造に関する一考察――
第二部 漢晋間の軍制と地域社会
 第一章 後漢末の涼州の動向
 第二章 曹魏政権下の「雍州」
 付 章 曹真期についての考察
第三部 長沙呉簡研究
 第一章 嘉禾吏民田家莂にみえる同姓同名に関する一考察
 第二章 長沙呉簡からみる孫呉の下級軍事制度考初編
 第三章 長沙における簡牘研究の現状と長沙呉簡に関する調査覚書


俗にいう三国フリークの人たちがむむっと思うところは、やはり第一部で展開されている軍事態勢・軍事から見たこの時代の流れ、特質でしょうね。もちろん、石井仁氏らの先達がいたとはいえ、彼が展開する世界もまた興味深い試論だと思います。曹操時代から曹魏の終焉をも「軍事」から見通すというのは、議論として魅力を感じるところです。
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テーマ:三国志 - ジャンル:学問・文化・芸術