漢文関係で長年探しているものは、
鈴木直治『中国語と漢文-訓読の原則と漢語の特徴-』(光生館、中国語研究学習双書12、1975年)
西田太一郎『漢文の語法』(角川書店、角川小辞典23、1980年)
の2冊かなぁ。
もう10年以上は探している。後者は一度古本屋で見つけたのだが、大学院時代に全コピーしたのを持っていたので、それほど高い値段ではなかったが、買わなかった。今となってはやはり現物が欲しくなる。
前者は古本屋で見かけたことがない。中国語研究学習双書の他のシリーズはたまに見かけるが、この本だけはお目にかかれず、古書目録でも見たことがない。でもネットで検索すると過去に何度か「日本の古本屋」には出品された様子。。。それに全国どこかの古本屋には1冊くらいあるに違いない。
年がら年中、古本屋を駆けめぐり、ネットで目を光らせているわけにもいかないし、そんなわけで、ず~っと手には入っていない。
この2書は、両方とも地域図書館にあって、自分が大学時代に図書館で見つけたものだっただから読もうと思えば借り出せば読める^^。
『中国語と漢文』の方は、漢文訓読の歴史を『論語』の訓読の仕方を中心に具体的に追跡していて、それぞれの時代でなぜ訓読が違うのか、どういう原理が働いているのかを理解しやすい文章で書かれているので、30年も前の執筆になるが、その内容は今なお色褪せることがない。
それまで、仮定法でなぜ「未然形接続」のものと「已然形接続」のものがあるのか疑問に思っていた。
たとえば、
雨ふらば・・・
雨ふれば・・・
のように。
どういう時にどっちを使うのかなんて悩んだりしたものだが、その答えはこの本にしか(当時は)答えが書いてなかった。
だから読んで分かった時は、なんだ、そういうことだったのかと思うと同時に、年来の疑問が氷解していく心地よさを感じた。
戦後の漢文訓読の揺れも、漢文教科書を実例にとって、振り仮名をどうするか、時制をどうするかなどのいくつかのポイントの違いからくるのだと納得できる。
欲しい本はたくさんあるけど、地域の図書館にあるけれど、手元に置いておきたいんだなぁ。。。
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テーマ:漢詩・漢文 - ジャンル:学問・文化・芸術