驚きです。まぁ、一度、体験していただければすぐに分かります。
・国学大師字典
http://www.guoxuedashi.com/zidian/725B.html検索できる辞典・字典は、下記の通り。
・『漢語大字典』:頁数:文字版・影印版
・『漢語大詞典』:頁数:文字版・影印版
(言わずと知れた、諸橋『大漢和辞典』を越える質・量の大辞典)・『現代漢語詞典』:頁数:影印版
・『康煕字典』:頁数:文字版・影印版
(『康煕字典』が諸本を引用しているのは周知のこと)・『説文解字注』:頁数:文字版・影印版
(いわゆる段注:段玉裁『説文解字注』)・『古漢語字典』:頁数:影印版
・『古文字詁林』:頁数:影印版
(古文字【甲骨文字編・先秦貨幣文編・古貨幣文編・包山楚簡文字編・睡虎地秦簡文字編・漢印文字徴】・【石刻篆文編】・【汗簡】・【古文四声韻】・【説文解字】の字すがた表示に加え、諸学者の文字解釈を載せる。漢代以前の文字研究には不可欠な工具書)・『説文解字詁林』:頁数:影印版
(言わずと知れた、『説文解字』の古典的代表的注釈を切り貼りで集めた労作。)・『重編國語辭典』:文字版
・『経籍纂詁』:頁数:影印版
(唐代の経典に対する注釈を集めたもの。唐代以前の文字解釈の基本となるもの)・『故訓彙纂』:頁数:影印版
・『中文大辞典』:頁数:影印版
・『宋本廣韻』:文字版
・『異体字字典』(リンクに飛ぶ)
・『書法字典』(楷書・行書・草書・隷書・篆書などの字すがた表示)
・字形演変(甲骨文・金文・小篆・康煕字典体・楷書体の字すがた表示+『説文解字』『六書通』『金文編』『甲骨文編』の字すがた表示)
・『甲骨文字編』:頁数:影印版
・『金文編字典』:頁数:影印版
途中で、疲れたwww
また補うので、いましばらくお待ちを。いずれにせよ、すごいサイトです。びびりました!
任意の漢字を入れて、試してください。 ていうか、これで
『漢語大詞典』も『經籍纂詁』も『説文解字詁林』もなにも買う必要がないという、なんて夢のような時代なんでしょう。
買い揃えたら数万円ではきかない。お試しあれ!!
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ちょっとびっくりしました。
いや、本当にビックリしました。今まで、漢字・中国語の古代音や中古音、近代音を知るためには、さまざまな本をひっくり返さなければならず、また研究者によって復元音が違っており、そもそも日本語の資料そのものが少ないので、ほとんど知るよしもなかったのです。
わずかに、かの藤堂明保氏による辞典で、藤堂説による古代音と中古音が記載されており、上に書いたような状況なので、藤堂説(一研究者の説)とはいえおおよその音価を知るには唯一といっていいほどの辞典でした。
藤堂明保(編)『学研漢和大字典』1978年初版、学習研究社もちろん電子辞書にはなっていないタイプなので、漢字を探してどのように復元されているのか、調べなければなりません。
それが、今や
オンラインで
中国古代音・中古音・近代音、さらには
現代方言音まで
「検索」できてしまうとは、さすがに驚きました。
以下のサイトで、横断検索ができます。
・漢字古今音資料庫http://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/え?中国語だから分からない? いえいえ簡単です。
まず、知りたい音の漢字を「字」に入力します。
それから、上のタブになっているところで、調べたい対象(つまりいつの時代の誰の復元音/どこの方言音)を選んでいくのです。とても全部は選べないほど、豊富にあります。
選んでいくと、下にボックスが次々と現れます。調べたい対象のどこまで表示するか、さらにチェックが入れられるようになっていますが、まぁ、ここは触らなくていいでしょう。
調べたい字とデータベースを選んだら、そのまた下のボタン「確定送出」を押せば、画面の中央に結果が出ます。なんと、上古音は「高本漢」(カールグレン)「王力」「董同龢」「周法高」「李方桂」の復元音が選択可能です(もちろん全部を同時に選ぶこともできます)。隋唐中古音も「高本漢」(カールグレン)「王力」「董同龢」「周法高」とばっちり揃っています。
そして、現代の方言が…詳しすぎてどれを選べばいいか分からないくらいあります。もう圧倒されっぱなしです。
ちなみに「古」という漢字を検索してみましょう。
上古音(つまり『詩経』をもとに復元した音)
董同龢説:
kɑɡ高本漢説:
ko王力 説:
ka周法高説:
kaɣ李方桂説:
kagx中古音(つまり『広韻』をもとに復元した音)
高本漢説:
kuo王力 説:
ku董同龢説:
kuo周法高説:
kuo 現代音
北京:
ku 214(←第三声の調音を数字で表記している。ピンインでは「gu」だが、「ku」となっているところから見ると国際音声記号に従っているようです)蘇州:
kɜu 51(いわゆる上海語)長沙:
ku 41(←普通話の第四声。長沙方言では「古」はピンインで「gu」の四声で発音していることが分かります)福州:
ku 31(←いわゆる閩南語?)香港:
ku 35(←いわゆる広東語?)という具合にもうびっくりです。。。当然ながら実際には本で確かめてみなければなりませんが、門外漢としてはもう十分すぎる情報量です。
「臺灣大學中國文學系、中央研究院資訊科學研究所共同開發」とありますから、共同研究・開発したものを一般にも公開したということなのでしょう。たしかに、ある漢字が誰の復元音ではどうで、他の人の復元音はこうで、時代が違うとこれこれで、、、なんてひとつひとつ本をめくって調べなければならないわけですから、こういう便利なものが欲しくなるわけです。でも、一般に公開しているのは本当にありがたいことです。
一番右には「域外譯音」がありますが、まだデータがありません。おそらく日本漢字音やハングル読みが将来入るのでしょう。
それにしても、すごいデータベースです。もう、
ありがとうございます、しか言えない!!!!
ちなみにここの親サイトはやばいです!
・漢字古今字資料庫(漢字字形データベース)
http://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccdb?ccmapcode=2で、甲骨文の字例、金文の字例、楚文字の字例、小篆の字例を出してくれる他、主要な辞典類で何巻の何頁に載っているのかも明記してくれます。『今昔文字鏡』は『大漢和辞典』の巻数と頁数だけですが、もうありがたすぎる!!!!
・小學堂甲骨文(甲骨文字データベース)http://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/jiaguwen?kaiOrder=200・金文(金文データベース)http://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/jinwen?kaiOrder=200この四月に完成・公開したとあるので、おそらく知らない人もいるでしょう。大いに自信をもって宣伝しておきますwww
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中国語 - ジャンル:
学問・文化・芸術
発刊当時から気になっていたのだが、辞書は山ほどあるし、買うのをためらっていた。
先日、地域図書館でたまたま見つけ、よくよく見てみると、非常に有益な辞典だということが分かった。
どこがいいかというと、まず、親字の字形の選定方式が書かれていて、「代表字」として字体を示し、それ以外を康煕字典体などに拠っている点。いわゆる「新字」「旧字」が一目瞭然なのだ。
7頁・凡例に
□代表字の定め方
常用漢字については、常用漢字表にある字体を代表字として収録した。
人名漢字の場合、人名用漢字表内に異体字が共存していることがあるが、それについては以下のような優先順位で代表字を定めた。
(1)常用漢字表の字体
(2)平成九年(一九九七年)時点の人名用漢字表の字体
(3)平成十六(二〇〇四年)以降に新たに加わった人名用漢字の字体
(4)表外漢字字体表の字体
(5)以上の表にない字体
例…「万」と「萬」の場合は「万」が(1)に該当するので、代表字となる。
「遥」と「遙」の場合は「「遥」」が(2)に該当するので、代表字となる。
「曾」と「曽」の場合はいずれも(3)だが、「曾」が(4)に該当するので、代表字となる。
とある。
これだけでは「?」という感じかもしれないが、それぞれの字のところを見てみると、その漢字の
親字の字体の変遷が分かるように記載されている。これはいままでのどの辞書にもなかった。
たとえば、「遥」の項目には、「遙」が旧字として掲げられ、参考欄に次のようにある。
2238頁
①昭和五十六年十月に人名漢字に追加された際、「進」「揺」などに合わせて「遥」に字体整理された。②「遙」は平成十六年九月に人名漢字に追加された。③一九七八年のJISX0208第一水準では「遙」のしんにゅうの点が一つの字形が、八三年以降は「遥」が掲載されている。④万葉仮名の「え」(ヤ行)。
これを読めば、本来の字体(より正確に言えば、昭和五十六年以前の印刷字体)が
「遙」であったこと、人名漢字に追加された時に、「しんにょうの点が一つ」、「揺」のようにつくりが簡素化された
「遥」という字体が誕生したこと。さらにJISで漢字がコード化された際に
「遙」のしんにゅうの点が一つの字形が誕生したこと(つまり従来の印刷字体に存在していなかった字体が「生み出された」こと)。その「生み出された」字体は一九八三年に「遥」がJISに採用されるまで続いたこと。
これらのことが、明確に分かるのだ。
それから注目すべきは、
「万葉仮名」を載せていること。これも、おそらくは今までの漢和辞典などにはなかったものだと思う。この方針はかなり徹底されているようで、たとえば、
「埿」という字がある。最近、ある漢籍を読んで、たまたま見た字だが、それまで見たことがなかった。この辞典には「泥」の別体として掲載されていて、参考欄に
「「埿」は万葉仮名の「で」、「ね」。」とある。なんということはない、古代の日本人には馴染みのある字、つまりは唐代くらいまでは普通に使われていた字であろうことが想像される。他にこんなことが分かる辞典があるだろうか。
惜しむらくは、
「遥」の意味欄に人名の読みとして「すみ・とお・のぶ・のり・はる・みち」と、言わば日本の古訓に由来するであろう読みが記載されているのだが、肝心の古訓(たとえば『和名抄』『類聚名義抄』などに収録された漢字の読み)が掲載されていない。これはこの辞典が「日本の近代、現代文学から漢字使用の用例」(刊行にあたって)をとったことと関係があるのだろう。
もっとも古訓は、
に
かなり網羅的にとられているので、『字通』を見れば分かる
(が、私が確認した限りでは、代表的な古辞書の古訓すべてを収録しておらず、若干、取捨選択がなされている)。他の漢和辞典にも「古訓欄」のあるものもあるが、『字通』以上に積極的に古訓を載せているものを知らない。
は古訓をとろうという意図のもとに編纂されたと思うのだが、これもまた古辞書に載っている古訓すべてを拾っていないので、目下、古訓を調べるには『字通』や『字義字訓辞典』にあたり、それももとでに古辞書そのものを見てみるという作業が必要になってくる。
とはいうものの、「古訓」が仕事で必要な時は、まずないんですけどね、あはは・・・(笑)。
知りたがりというのはよくないですね。
閑話休題。ところで、『新潮社日本語漢字辞典』で一言、言っておくと、上記の
「埿」は「泥」の別体として出ている他に、単独で、「土」の8画の場所に親字として項目が立っており、読みも
「デイ・どろ」と出ている。
しかし、冒頭の
「音訓索引」の「どろ」の箇所にも「デイ」の箇所にも出ていない。親字として単独で出ている音・訓はやはり音訓索引に出しておくべきだろう。
新潮社さんにメールでもしようかな。
ところで最近は、とある辞典の項目(熟語項目)の語釈を書いているのだが、
『日本国語大辞典』も参考にしている。語釈は納得できる点が多いのだが、いかんせん用例が古いものを出すという原則から、現代での使い方の事例がほとんど載っていないことに気付いた。もとより、一つの辞書ですべてをカバーできるものではないが、
『日本国語大辞典』もある意味、『大漢和辞典』と同じような位置づけでとらえるべきかもしれない。
その話はまたこの後で。
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漢字 - ジャンル:
学問・文化・芸術
あまり大きな声では言えないが、諸橋轍次『大漢和辞典』の台湾版(笑)を持っています。いわゆる海賊版というやつです。毛沢東の項目が消されています。修訂版でコンパクトサイズなので、重宝しています。
『漢語大詞典』が出て以降は、まず『漢語大詞典』をひいて、それで納得すればそれで終了で、なお分からない時だけ『大漢和辞典』をひいていますが、それ以前は、漢文を読むと言えば、『大漢和辞典』をひくことを意味していたし、漢文が読めるということは『大漢和辞典』がいかに使えない辞典かを知ることでもあった。
ところで、これもあまり大きな声では言えないが、とある中国大陸のサイトから、『大漢和辞典』の電子版(といっても検索できるわけでなく、画像データ)をダウンロードした。見たこともない緑色の表紙です。実にあやしい。でも中身はちゃんとした『大漢和辞典』。

今のところ、全13巻中、第1巻・第3巻・第4巻・第5巻・第6巻・第7巻・索引の計7巻だけだが、今後できるだけ集めたい。全巻揃って持っていないと意味がないし^^;
あと、以下の書は非常に使える本だが、これは自分で…するとしよう。そうすれば、『漢語大詞典』はすでにパソコンに搭載ずみなので、画像データではあるが、『大漢和辞典』もパソコンに入れて使うことができるようになる。日中の巨大漢語辞典があやつれる。それに白川静『字通』も持っているので、鬼に金棒である。
あぁ、素晴らしきかな電子化。
 | 東洋学術研究所 『大漢和辞典 語彙索引』 大修館書店、1990年。
『大漢和辞典』は旧かな遣いで熟語を載せているので、いきおい掲載されている熟語が探し出せない(=載っていないと同じ)ことがある。この語彙索引は、『大漢和辞典』に収録されている熟語をすべて現代仮名遣いで五十音順にならべたもの。 ある語が漢語として存在しているかいないかを調べるのにも適している。
|
一方で、中国大陸において本の著作権なんてないも同然なのだなと日頃から思っている次第。
コピー天国・パクリ天国なわけだが、そうした恩恵(?)にあずかっている一人としてはなかなか複雑な心境。。。
そして、広い意味では(広くない意味でも?)、自分の行為(=ダウンロード)が著作権侵害に抵触しているのではないかと思わずにはいられない。なので、大きな声では言えないのです(と言いつつブログに書いているが…)。
結局一晩かけて、第2巻・第12巻の計2巻欠で、
他11冊はデータを入手することができました。そしてさらに1日かけて、全部入手しました。特別なビューワーが必要な巻もあるのですが、見られることにまず感謝です。汎用性も考え、PDFに変換できるものはしてみることにします。
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学問・文化・芸術
最近読んだ本の中で一番ためになったのが以下の書。中国古代史関係ではないが、中国語学習者にとっては読んで損はないだろう。おもに著者の中国語学習の経験が述べられているが、なかなか面白い。
 | 荒川清秀 『体験的中国語の学び方―わたしと中国語、中国とのかかわり』 同学社、2009年 ● 中国語学習の目的は中国人のようになることか ● 留学すれば中国語がものになるわけではない ● 発音の習得に完成はない ● 参考書、辞書はケチらず買おう ● ラジオ、テレビ講座をおおいに活用しよう ● ある時期に一字一句こだわって読もう
|
中でも、中国語学習者がピンインの「n」と「ng」が聞き分けられないことに関して、筆者は、聞き分けられなくても前後の文脈や四声からどちらかが分かるので、聞き分けられないことに自信をなくしてはいけない、と説く。
発音する側としては「n」と「ng」を分けて発音するにせよ、聞き取る場合は神経質にならずとも、単語力があれば問題ないということだ。
そのほかにもいくつか発音上のことが書かれており、有声音と無声音の対立だけはしっかりとマスターしなければならないと言う。さまざまな場面で筆者の経験に則ってのことだけに、説得力を持つ意見ばかりである。
そして「中国語学習の目的は中国人のように話すようになること」ではない、としている。
これは、ハッとさせられた言葉だ。ともすれば、われわれはネイティブのようになりたいと思うのだが、生れてから何千時間何千回何万時間何万回と言葉を聞き、話し、訂正された母語者には所詮かなうものではなく、外国語学習の目的はネイティブになることではなく、しっかりとした母語を基礎に違う言語体系・思想体系の言葉を理解することだというのだ。
たしかに留学すれば、日常会話にはさほど困らずには帰ってくることができる。しかし、そこからネイティブのようになることを目指すのではなく、文法的に自覚を持って学習することの大切さをも説いている。
といろいろ書き連ねたが、とにかく本書を手にして読んでみると、中国語学習には有益な本だということがすぐに分かると思う。なお、後半は、筆者がNHKラジオ中国語講座、テレビ中国語講座を担当した裏話になっている。この部分はそれほどは刺激的ではないが、舞台裏を覗き見る感覚で読めばそれなりに面白い。
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学問・文化・芸術