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古代中国箚記

古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。

フランス語が分からない

中国史を専攻していても、英語以外の外国語が必要になってくることがあります。ちなみに大学学部時代の第二外国語は「ドイツ語」でした。フランス語とっておけばよかったと後悔しています。シノロジーはフランスにおいて確立したと言っても過言ではないくらい、フランスの中国学は抜きんでています(もしくは、いました)。ついでにいうと、中国語はその頃、私の大学では第三外国語(習得しても進級や卒業にまったく関係のない単位)として設置されていました。

最近、仕事でフランス語文献の書誌情報をいろいろ調査しているのですが、当たり前ですが、フランス語が分からない。

なんか名詞の前についている「l'」って何??

eの上にちょんとついている「é」って何??
分からないことだらけです。

10年ほど前に敦煌文献についてフランスの目録を使ったんだけど、あの時も辞書をひきつつ「この単語載ってねぇ」(たぶん何かで語が変化していて、その形では辞書に載ってない)と途方に暮れたことがありました。最近あちらこちらで、「英語はフランス語の方言みたいなものだ」とか聞くんですが、英語が分かってもフランス語は分からないんですよね。たぶん逆はあるんだろうと思うけど。

あぁ、発音できなくていいので、フランス語が読みたい。せめて辞書ひいて意味が分かるレベルにはなりたい。


NHKのフランス語講座とか聞けばいいんですかね。超初学者のためのフランス語入門書ってないんだろうか。

語学はあと、朝鮮語・韓国語・ハングル?のイロハ(そもそもハングルが読めない)を知りたいし、英語をもうちょっと読めるようになりたいし、フランス語も見て分かりたいし、ロシア語もせめてアルファベットに置き換えられるようになりたいです(ある地図資料にはこの作業が欠かせない)。ついでに、中国語もピンインじゃなくてウェード式での表記方法をマスターしたい(これはちょっとがんばればできそう)。。。

まぁ、すべて無い物ねだりですよ。たぶん自分には語学の才能はないので・・・。


その点、大学院の指導教官は文句なしにすごかった。

中国人留学生に中国語のダメだしをし、学内誌にフランス語で論文を書いて(誰か読める人いるのか?というつっこみは別に置いておいて)、英語も普通にできた。古典漢語もめちゃくちゃ読めた(訓読でも直読でも読んでた)。晩年はハングルを勉強してあらかたマスターしたようだった。ああいう人を語学の天才というんだろうなぁ。もちろん、努力もしているんだろうけど。
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テーマ:フランス語 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント

おつかれさまです

お変わりなく多彩な分野でご活躍の様子、何よりです。
フランス語、テレビ講座だとどうしても多事に取り紛れ挫折しがちなので、何か一冊入門書を買うほうがよいような気がします。個人的に使ってるのは石野好一『CD活用 フランス語の入門』白水社2001年。オーラルはいまださっぱりですがとりあえず辞書引きまくれば大意くらいはとれるようになったような。それと今のロワイヤル仏和中辞典にはPC導入可の電子版CDがついてきてるので、それを利用すればだいぶ効率があがると思います。もっとも膨大な時間を要するのは相変わらずなのですが…
ウェード式表記に慣れるなら、戦前に出た時文(≒当時の時事中国語)辞典の類を手にとっていれば自然に慣れると思います。結構近世や民間の語彙を拾ってるので近代史だとそれなりに使いでがあるのです。そういえば某○山書店には竹田復の辞典が落ちてましたな。

> ハングル
最近では相当マイナーな分野にまでまさか、なハングルの研究成果が散見されるそうで。ようやく(東)アジア各国で地政学上だけではない基礎研究に目が向きつつあるということでしょうか。伝聞では日本語話者にとってはハングルは文字さえクリアすれば漢語由来の語彙と文法的に近縁関係にあることも手伝ってブレイクスルーは早いとか。モンゴルや韓国(含朝鮮族)の留学生の日本語上達が早いことといい、(構造的には同じアルタイ系?のせいか)比較的相性がいいようで。ものの本によれば日本人に相性の良い言語は文法面でハングルやモンゴル語、音声面でインドネシア語やマレー語だそうです。一方英語等はかなり距離が遠いらしいです…

> 中国…漢字教育
中国の場合、小学校初級時点では漢字はつかわずピンインonlyでスタートだそうです。もっともその後の漢字は全て簡体字なので、古典を専門に学ぶ専攻でもないかぎり繁体字は読める方が珍しいのでは。近年中国で歴史史料を出版する際、往々にして簡体字に直してしまうのは、歴史や古典以外の専門家(政治、経済など)や政府関係者が繁体字だと読めず利用できなくなってしまうことを考えてのことだ、と聞きました。
中国の小学校で近所に響き渡る音読の声といい、映画『高三』に見るような大学受験に備える高校生の猛烈な音読・暗記の光景といい、「素読」に基づく教育は相変わらずのようで、かつて“(暗記しおわって)はじめて漢民族の伝統的な文語という漢字の記号体系による一つの言語が完成する”“たがいに習得しあっている共通の古典からの言いまわしを組み合わせて、相互理解に成功しそれを保つ交信パターン”と橋本萬太郎先生が喝破した漢語とそのコミュニケーションの特徴は実に説得力があると思わされます。
…未だナゾなのは中国の古典専攻のひとたちが古典漢語を会得してくる過程ですね。大学院レベルだと既に「一字一句をゆるがせにせず読む」ような授業が無いので、彼らの古典漢語マスターの過程はそれ以前のはずなのですが。

> 東アジアの生活環境史
面白そうで、かつ大変そうな分野ですね。韓国/朝鮮はさておき、中国の場合日常生活のこまごまとしたことが史料として残らず、外部観察者の記録ではじめてディティールがわかることが珍しくないので。従来価値ある史料とみなされていなかった部分の発掘が必要そうですね。

  • 2011/06/05(日) 11:57:16 |
  • URL |
  • 爨文君 #mQop/nM.
  • [ 編集]

お返事ありがとうございます

中国や韓国での漢字教育ですが、中国に関して言えば、小中学校で唐詩を暗記させられたりしたという話を聞きます。ですが、いわゆる古典漢語(漢文)を読むということでは、大学で中国史か中国文学を専攻しないと読めないと思います。さらに繁体字も読めない学生がいると聞きます(学生や大学のレベルに大きく左右されるようです)。
韓国では、かなり前に国語化政策の影響で、新聞の文面から漢字が姿を消しました。古典漢語を勉強する機会はほとんどないと思います。
また、ある本で読んだのですが、いわゆる日本の「漢文訓読」は、中国人留学生にとっても、古典漢語を理解する上で非常に有益に働いたそうです。漢文訓読は一種の翻訳ですから、当然といえば当然ですよね。ただし、訓読文をマスターするには少々訓練が必要ですが。

ハングルを勉強されているとのこと、非常にいいですね。後学、畏るべしではなく、頼もしい限りです(笑)。

コメントへのお返事ありがとうございます

長々と申し訳ありませんが、どうしても書きたくて、書きました。

>一昔前は、韓国の学者はみな日本の中国学の成果を吸収するために、日本語をまず勉強したそうです(今の学者でも中国語と日本語ができる方が多数います)。

そういった背景があったのですね!以前、お邪魔した韓国の研究者の方が、中国語も日本語も話されいたことに驚きました(彼の専門は、中韓の比較史で、そういったことも大きいのでしょうが。)

現在、私の所属先は広く東アジアの生活環境史を扱うところで、授業発表では中国や韓国の中等教育での漢文やハングル教育の事情を知らないと聴講者もコメントできず、私なんかは困ることがあります。

漢文を高校まで受験科目に必須できた私には、中国や韓国でどのくらい漢字教育が行われ、どのように漢文教育がなされてきたのか、全く分からないのです。

というのは、受講生の中には韓国の工学研究科から進学し、漢文を読み始めて日の浅い韓国人留学生もいるため。彼らは日本語の発表も含めて大変苦労されています。

研究環境が研究環境なので、今はハングルで韓日辞書が引けるくらいには韓国語を勉強し、手元に漢字ハングル辞典を常備しています。おかげで、しのげる授業もあって、助かっています。

ひとまず、考えたことの中からまとめられたことだけ、コメントさせていただきました。

  • 2011/06/03(金) 15:13:34 |
  • URL |
  • 神無月 真衣 #-
  • [ 編集]

その通りです

神無月さん

コメントありがとうございます。
言われているとおり、実は韓国の中国学も最近は見逃せなくなっています。一昔前は、韓国の学者はみな日本の中国学の成果を吸収するために、日本語をまず勉強したそうです(今の学者でも中国語と日本語ができる方が多数います)。
「語学は若いうちに」というのは本当にその通りです。なぜなら、修士・博士課程でも忙しいと思いますが、私の経験からすると、今よりも圧倒的に時間がありました。また若ければ若いほど記憶の効率もいいのは言うまでもないでしょう(かと言って、語学を始めるのに遅すぎるという年齢もない)。

日本の中国学者は、古典漢語・現代中国語、英語は必須として、+1・2・3言語、辞書をひけば分かる程度のレベルの語学力を身につけたいところです。

研究には多言語が必要ですね

こんばんは!本当に多言語が必要なんですね。研究の世界に入り、日々、感じています。

ヨーロッパで研究員をされた先生も古中さまと同じようないきさつを話されました。「中国学は今もフランス(語)内で、一定の研究情報がやり取りされている。」とおっしゃっていました。それと、研究の方向が文化人類学寄りになってきていることもあって、いずれはフランス語も・・・、と考えています。

今は中国語で手一杯ですが、研究室の仕事でまず韓国語が必要な環境です。ますは、韓国語から固めていかないといけないと思っています。

非常勤の先生方に「語学は若いうちにやっとかな、あかんで!!」と言われ、切実に語学をどうにかしたいと思うこのごろですね。

  • 2011/06/02(木) 01:31:07 |
  • URL |
  • 神無月 真衣 #-
  • [ 編集]

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